デザイン思考で行こう!

Life will find a way. Technology can't find the way by itself.

医学や感染症に関してはズブの素人ですが、SNSやテレビ報道(ワイドショー)などの雑多な情報を私なりに整理して考えてみました。

おそらく事実だと思えるたった二つのこと:
・夏になってもコロナウィルスは死に絶えない(季節性と呼ばれるインフルエンザウィルスも夏に生きていて流行することがある)
・人々の行動を制限することによって感染の拡大を抑えられる

これらが事実だとすると、行動制限が緩和または解除されると、再び感染が拡大し、「行動制限」「制限解除」が繰り返されることになります。武漢では都市閉鎖が解除されましたが、武漢内での新たな感染者の確認がされなくなったとしても、人々の行動が活発になり範囲が拡大すれば、再び感染が拡大するでしょう。他地域のウィルスが人と共に流入してきます。

「緊急事態宣言」は、これまでの「行動制限」の要請を強化するものです。それは諸外国の「行動制限」に比べて緩いという意見もありますが、「行動制限」は感染爆発による「医療崩壊」を防ぐことだけが期待効果でしょう。どんなに厳しい「行動制限」をしても「制限解除」すれば、再び「感染拡大」が始まるのではないでしょうか。

夏になって暑くなれば、コロナウィルスの感染力が弱まることは期待できそうです。それによって「感染拡大」のスピードが弱まり、「行動制限」までの時間が長く「制限解除」までの時間が短くなるかもしれません。

アビガンなどの「治療薬」によって患者の重症化を防ぎ、回復を促進して、早く退院させることができれば「医療崩壊」の危険性を大きく減らすことができるでしょう。しかし、ワクチンができなければ感染を防ぐことは非常に難しい。残念ながら、1ヶ月間の「緊急事態宣言」による「行動制限」だけで、数ヶ月前のような安心した生活に戻ることは期待できない。

・政府と自治体は「医療崩壊」と「経済崩壊」を招かないギリギリのレベルでの「行動制限」の要請を実施するしかない
・私たちはワクチンができるまで「感染拡大」「行動制限」「制限解除」が繰り返されることを覚悟する

ワクチンができるまで一年ぐらいはかかるようです。それは、人口の大多数が感染して抗体を持つようになるよりも早いでしょう。その時間を覚悟し、その時間をどのように費やすのか。自分にとって本当に大切なことは何か、あるいはその価値観を考え直す必要があるなぁと、しみじみ思った次第です。








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世界経済フォーラムが、マッキンゼー・アンド・カンパニーと連携して作成したレポート『Transforming Rural Mobility in Japan and the World(日本と世界の地方のモビリティの変革)』が、1月16日に公開されていました。

その冒頭で「日本の地方のモビリティに対する需要の減少が、モビリティシステムに深刻な経済的負担をかけています。地方のバス会社の85%が損益分岐点を下回っています。中国地方の60%の鉄道の収益は、営業コストの50%を下回っています。この低収益性は人口密度が低いことによって引き起こされる構造的な問題であるため、鉄道事業者に運営効率の向上を促しても、本質的な問題解決になりません。人口の減少だけでも、2040年までに地方の交通収益性がさらに5-10%低下する可能性があります」という問題提起をしています。 

そして、この問題の解決に取り組むために「DRIVER」という地方のモビリティのためのソリューションフレームワークを提案しています。
Dynamic route: 路線バスのように決められたルートを走るのではなく、オンデマンドで出発地点に迎えにきて目的地まで送ってくれるモビリティサービス。
Resident-involved: 輸送業務に住民組織と非政府組織を関与させる。
Intermodal: サービスとしてのモビリティ(MaaS)アプリケーションを使用して、公共交通機関モード全体で支払い、予約、スケジュールの調整を統合することで、顧客体験を向上させる。
Versatile: モビリティサービスは、移動サービスそのものだけで利益を得ようとするだけでなく、人々が移動することによって、直接的間接的に利益を得る他の業界とのパートナーシップを考慮して、より大きな利益プールにアクセスする必要がある。 
Efficient: 既存のサービスを改善し、新しいソリューションを活用してより効率的にする。
Rightsized: 需要の減少に対応するために、適正な規模の交通モードを選択し、収益性と顧客満足度の向上を前提にモビリティミックスを調整する。
地域の人口の減少によってモビリティへの需要が減り、モビリティサービスの収益が減り赤字が拡大するという構造。行政からの追加支援がなければ自ずとサービスレベルが低下することになります。そして、地域のモビリティのサービスレベルの低下は、さらなる人口減少を招く一因となります。

DRIVERは、その悪循環を断つためのソリューションフレームワークです。レポートは、どの要素に優先して取り組むべきかは地域の実情によって異なるとしていますが、どの地域においても優先すべきはサービスレベルを向上させることだと思います。特に、適正な規模の交通モードを選択し、モビリティミックスを調整すること(Rightsized)が必要ではないかと。

2018年6月に国土交通省 国土交通政策研究所が発表した『多様な地域公共交通サービスの導入状況に関する調査研究』では、地方のモビリティを確保・維持するための施策のひとつである「コミュニティバスやデマンド交通の効果的な導入」に焦点を当て、何がその利用者増に貢献するかを調査研究しています。

デマンド交通とは、路線やダイヤをあらかじめ定めないなど、利用者のニーズに応じて柔軟に運行するバス又は乗合タクシーを指し、コミュニティバスは、交通空白地域・不便地域の解消を図るため、市区町村自らバス事業者として、またはバス事業者に委託して路線定期運行するバスを指しています。

デマンド交通の方がコミュニティバスより潜在的な需要があるものの、デマンド交通は運営が厳しく、バス停から自宅などの移動の起点・終点までの距離や待ち時間などの短縮といったサービスレベルの向上が難しい。結果的にコミュニティバスの運行の方が多くなっている。そして、デマンド交通の方が増加後減少の割合が多くなっており、導入後の利用者数を増加させるための改善においても、コミュニティバスよりうまくいっていないという、デマンド交通の運行継続の難しさが報告されています。

Rightsizedは、鉄道や路線バス、そしてコミュニティバスやデマンド交通などの組み合わせ(モビリティミックス)を、地域の需要に合わせて調整し最適化します。モビリティミックスにおいてラストマイルを担うモビリティはDynamic routeが理想です。電話や配車アプリでタクシーを呼び出せばDynamic routeになりますが、既存のタクシーを地方のモビリティミックスに組み込むことは難しいと思います。

日本のタクシードライバーの給与の大部分は、売上げの50%から60%の歩合制になっており変動費に分類されます。そのため、変動費を削減してタクシー1台当たりの限界利益率(限界利益/売上)を向上させることは難しく、利益を増やすためには車両数を増やさなければなりませんが、タクシー事業には運賃と車両台数の規制がかけられています。

ロボット(無人)タクシーは、その変動費を大幅に削減することができます。しかし、一般の乗用車を自律走行可能にしたタクシー用車両は非常に高価(数千万円)です。それでは、地域に必要十分な台数のロボットタクシーを投入することは難しい。それに、ラストマイルには、高速道路を走行するような車両は必要ありません。

私たち(PerceptIn)は、コンピュータビジョンを中心にした独自のセンサー統合技術による、低速の自律走行電動車(LSEV)を1/10程度の価格で提供します。この車両を使用する「マイクロ・ロボットタクシー」は、地方のモビリティミックスのDynamic routeのためにデザインしたモビリティサービスです。

世界経済フォーラムのレポートは、「今後10年間で過疎地域が世界中に広がるにつれて、地方のモビリティの重要性が増すだろう。そして、新しいソリューションの実現性も重要になる。日本および世界中で、地方のモビリティ市場は広く開かれており競合も少ない。そして、さらに重要なことは、ユーザーがそれを本当に必要としていることだ」と結論づけていますが、マイクロ・ロボットタクシーの事業化を目指している私たちの考えと完全に一致しています。

Dynamic routeのモビリティサービスは既存のタクシーとの競合になりますが、デマンド交通も競合モード・路線との調整をした方が、より利用者数が増えるという調査結果が出ています。

複雑な社会問題の解決のためには、関係するすべてのプレーヤーが集まり、アジェンダを明確にし、大きなインパクトが起こせるように互いに補い合って、問題解決のための活動を実行するコレクティブ・インパクトというアプローチが必要です。レポートも「技術と情熱を持ったより多くのプレーヤーがこの問題に取り組み、より良い成功事例を一緒に開発するために大義に加わることを切望する」と結んでいます。
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6年ほど前に「カメラのほんとうのイノベーションはこれからだ!」という記事を書きました。当時、米国系テック系の某有名ウェブメディアでの記事連載のお話があって、この記事を持ち込んだところ、当時の編集長曰く「いまさらオワコン(これもすでに死語)の話は...」その後、音信不通になった記憶があります。

6年が経過し、その間のスマホのカメラの技術の進歩はめざましいものでしたが、カメラメーカーは、カメラのイノベーションを起こすことができませんでした。
クリステンセンのイノベーションのジレンマは、安定した強固なバリューネットワークを持つ企業に生じるものであったが、デジタル時代においては、経営者はそもそも安定した強固なバリューネットワークというものを構築すべきか否かという判断を迫られている。フィルムのエコシステムは100年以上にわたって多くの企業に利益をもたらしたが、フィルムメーカーに代わって写真産業の頂点に立ったカメラメーカーの業績は10年そこそこで陰りが見え始めている。(カメラのほんとうのイノベーションはこれからだ!)
陰りが見え始めたと書いた2013年のカメラの出荷台数は約6100万台、昨年は、その約1/3の1950万台余りにまで落ち込みました。ピーク時と比べれば1/5という数字です。今年は、さらにその20%減で推移しています。(データは、カメラ映像機器工業会の「デジタルカメラ統計」をご覧ください)

確かに、何をいまさらの「カメラのイノベーション」ですが、私は、ほぼすべての人が「ムリ」と思っていることの答えを見つけることが大好きです。いまは、(自動運転の)ロボットタクシーの立ち上げに没頭していますが、それと同じぐらい「カメラのイノベーション」への挑戦は面白いと思うのです。

私の答えは、「ママカメラ、パパカメラ、タビカメラ、サンポカメラを創る」ということです。

そんなものは、すでにいくらでもあると言われると思います。しかし、それらは、デザインや機能が、例えば「ママが子供の写真を撮る」ために「適して」いるということに過ぎません。「ママが子供の写真を撮る」ためのカメラをつくったのではなく、「適した」機能やデザインを持ったカメラを、マーケティングとして「ママカメラ」というコンセプトを後付けしたものです。

「子供の写真を撮る」ことがママの目的ではありません。何か別の目的があって「子供の写真を撮る」のです。いまの「ママカメラ」で、その目的を達成できているでしょうか?カメラメーカーの人が、その疑問からカメラを考え直すことができれば「カメラのイノベーション」は可能だと思います。

スマホで写真を撮る人たちには、様々な目的があります。スマホカメラの性能がどんなに向上しても、カメラの機能だけでは、それらの目的を達成することはできません。インスタグラムやフェースブックやスナップチャットなどは、カメラを再発明してイノベーションを起こしたのです。

世界中の人々は、写真を撮ることが大好きです。これは変わることはないでしょう。それが、誰もが「ムリ」だと思っている「カメラのイノベーション」への挑戦が面白いという理由です。人々の基本的なニーズは不変で、新しく生まれた技術によって、その手段だけが変化して行きます。技術の進化が無限であれば、人々が何かをする手段も無限に変化する可能性があります。スマホカメラとインスタグラムで終わりではないのです。

カメラメーカーの方にひとつ提案があります。

社内の、カメラの事業とはなるべく離れた部門の、就学前のお子さんを育てているママやパパで、ミクシィが運営する家族アルバムアプリ『みてね』を使っている方を20名とか30名集めてください。お昼をご用意して、例えば11時から13時ぐらいの時間で、5人ずつぐらいのグループにして、子供の写真をどんなときに、どれぐらい撮っているのか。そして『みてね』をどんな風に使っているのか。なぜ『みてね』を使っているのか。そんなことを話し合ってもらってください。

カメラ事業の方は、各グループに一人か二人同席して、その会話を観察してください。会話が停滞したり大きく脱線したときのために、あらかじめ用意した質問を投げかける以外は発言を控えます。30分ぐらいでグループをシャッフルします。観察者は動かずに、メモもとらずにひたすら観察してください。

ママカメラとパパカメラの答えが必ずあります。ママカメラとパパカメラはまったく違うはずです。それは、いわゆるカメラというハードウェアだけではないことに気づくはずです。インスタグラムもフェースブックもスナップチャットも、イノベーション後のカメラなのです。

10人の観察者のうち、8人は気づかないかもしれません。あるいは間違った答えを見つけるかもしれません。そして1人か2人は、いままでつくってきたカメラがなぜ使われなくなってしまったかに、なんとなく気づくでしょう。あとは、その1人か2人が「カメラのイノベーション」に挑戦しようと思うかです。それは、さらに10人にひとり、あるいは100人にひとりかもしれません。

しかし、「カメラのイノベーション」はいつでも可能です。


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ニューコンセプトのモビリティサービス

このマイクロモビリティは、自動運転のLSEV(電動の低速走行車両)を使用した、PerceptIn(パーセプティン) 独自のコンセプトのオンデマンドのモビリティサービスです。最寄駅から自宅などのラストワンマイル、買い物などの生活の足、そして観光スポット間の移動などのための短距離の移動手段をご提供します。
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実験準備中のLSEV

本サービスの提案が、異業種連携による事業開発コンソーシアム・III(トリプルアイ)が主催する新しいまちづくりプログラム「未来Smart City Challenge」のテーマ「FUKUOKA Smart City Challenge」に採択されました。この度、九州大学、UR都市機構、福岡市、福岡地域戦略推進協議会のご協力を得て、福岡市の貝塚公園にて、9月21日、22日、23日に自動運転の実証実験を行います。
 
PerceptInの自動運転のマイクロモビリティは、日本では今回が初めてのご紹介になります。ぜひ多くの福岡市民の方々に、将来の都市空間における新しいモビリティを体験していただきたいと思います。

実証実験の概要
  • 二人乗りの自動運転LSEVの􏰀乗車を体験していただきます
  • スタッフが同乗し、安全を最大限限確保した形で􏰀走行します
  • 体験後にテントにてアンケートを実施しますのでご協力ください

実施日時・場所など

【実施日時】
令和元年 9月21日(土) 、9月22日(日)、 9月23日(月・祝)

いずれも10時00分~15時00分  ※雨天の場合は体験乗車を中止することがあります
★21日(土) 13時00分~13時30分は、オープニングセレモニーを実施いたします。
(オープニングセレモニーの間は、体験乗車を中断いたします)

【実施場所】
福岡市 貝塚公園(福岡県福岡市東区箱崎7丁目8−35)

【体験乗車お申し込み方法】
体験乗車を希望される方は、こちらから申し込みフォームにアクセスしてお申込みください
(当日は順番にご案内いたしますが、事前申込された方を優先させていただく場合がございますのでご了承ください)


【実施主体】
PerceptIn Limited、PerceptIn Japan合同会社
担当:川手恭輔 

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PerceptIn について

PerceptIn Limitedは、2016年に米国シリコンバレーで創業した、ディープテックのスタートアップです。現在、本社を香港(開発拠点は中国・深圳)におき、ロボットや低速走行車両のための非常に安価な自律走行のソリューションを提供しています。8月8日に、日本法人 PerceptIn Japan合同会社を設立し、本実証実験をきっかけとして、日本における自動運転のマイクロモビリティの事業化に取り組みます。
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私たち(PerceptIn)は世界に先駆けて、まず日本で、自動運転のLSEV(低速電動車両)を使用した無人のタクシーサービス、マイクロ・ロボットタクシーを提供しようと考えています。
 
 「マイクロモビリティ」と呼ばれる短距離の移動手段として、自転車や電動キックスクーターなどのシェアリングサービスが登場してきていますが、それらを利用できる人は限られています。
 
私たちのサービスは、家族連れや少人数のグループ、そして日本の人口の1/4とも言われる高齢者など交通弱者のためのマイクロモビリティです。地域の住民の生活の足、観光地での観光スポット巡り、そしてテーマパークの中の移動のアトラクションとしても利用していただきたいと考えています。
 
シェアリングエコノミーの時代になり、モビリティも所有から利用に変化しつつあります。これまで一台のマイカーを、買い物や通勤やレジャーなど多目的に利用してきましたが、MaaSによって目的に応じたモビリティを利用できるようになります。それはモビリティが多様化してゆくということも意味しています。マイクロ・ロボットタクシーには、大きな潜在ニーズがあると考えています。
 
今年中に自治体様などの支援をいただいて、非公道での実証実験をいくつか実施する予定です。そして、必要なステップを踏んで、2022年までには、公道での商用サービスを実現したいと考えています。
 
ロボット業界のPoC死(ぽっくし)
 
「ビジネス+IT」の『世界のロボット新製品』という連載記事(リンク)のなかに、「PoC死」という表現がありました。
ロボット業界では、ロボット開発会社が、導入を検討している企業などと「まずは(購入前に)PoCから」ということで、持ち出しで実証実験やデモを行うことがよくあるが、結果として導入されないということも実はしばしば起こっている。
潤沢な資金のないスタートアップにとって「持ち出しで実証実験」はきつい。さらに「結果として導入されない」となると生死に関わります。それによって、企業そのものが破たんしてしまうことを「PoC死(ぽっくし)」と呼んでいるのです。これは他人事ではありません。
 
エリック・リースは、著書『リーンスタートアップ』の中で、プロダクト・マーケット・フィットのために、製品をプロトタイプの段階から実際のユーザーに使ってもらって、「構築 - 計測 - 学習」のサイクルを繰り返すことが重要だと説いています。

ウェブサービスの場合、そのビジネスモデルは、サービスの利用が完全に無料であったりフリーミアムであったりします。プロトタイプや、必要な最小限の機能だけを実装したサービス(MVP)を、多くのユーザーに使ってもらうことが比較的容易でしょう。そして、得られたフィードバックによって改良した製品を公開することも、ウェブサービスであれば毎日でも可能です。

マイクロ・ロボットタクシーという、まったく新しいコンセプトのPoCとは、まさに「構築 - 計測 - 学習」のサイクルを繰り返し、顧客や社会の「何ができるの?」「本当にできるの?」といった疑問に答え、これまでになかった新しい価値を理解してもらうことに他なりません。しかし、それはウェブサービスほど容易なものではありません。

公道での実験については、平成28年に、警察庁がガイドラインを示しています。運転手が乗車することが義務付けられており、公道では完全な無人運転の実験はできません。そして「実験施設等において、公道において発生し得る様々な条件や事態を想定した走行を十分に行うこと」とされています。非公道での走行試験は、そのために必要なステップになります。公道での試験は、歩行者や自動車などの交通量の少ない道路から始め、段階的に実施する必要があります。

レベル4のガイドライン

2014年ごろから始まった第三次ロボットブームで登場したロボットは、そのブームの原因となった東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年をいかに迎え、いかに越えていくか?前述の記事には次のように書かれています。
これ(PoC死)を避けるために一番重要なのは、2020年以降をきちんとイメージすることだ。ロボットの普及、浸透にはまだまだ時間がかかるのも間違いない。2020年という大波を乗り切って、その先に向けての取り組みをどうか目指してもらいたい。
これまで日本には、自動運転を可能にする法律はありませんでしたが、3月8日に自動運転車の公道走行ルールを盛り込んだ道路運送車両法・道路交通法の一部を改正する法律が閣議決定され、オリンピックの開催までには施行されるとのことです。国交省の資料によると、この改正の目標と効果には、高速道路における自動運転(レベル3)の実用化だけでなく、2020年までに、限定地域における無人の自動運転移動サービス(レベル4)を実用化すると書かれていました。
 
そして、6月26日に「限定地域での無人自動運転移動サービスにおいて旅客自動車運送事業者が安全性・利便性を確保するためのガイドライン」が国交省から発表されました。
 
それによると、旅客自動車運送事業者は、限定地域での無人自動運転移動サービスにおいても、運転者が車内にいる場合と同等の安全性及び利便性を確保することが必要とされ、レベル4に係る技術が確立し制度が整備されるまでは「遠隔監視・操作者の監視等による安全確保措置」を前提とし、運行の安全の確保のための以下のようなガイドラインが示されています。
  • 車両の特性等を確実に把握した上で、適切なルート・エリアとすることや、保安基準の基準緩和認定制度に従って十分な代替の安全確保措置を講ずること等により運行の安全を確保すること
  • 通信の遅延時間が生じるといった車両の特性の把握等について、遠隔監視・操作者に対する指導監督を行うこと
そして、技術が確立し制度が整備された後
  • 使用する車両は、「自動運転車の安全技術ガイドライン」等で規定された安全性に関する要件に適合させること
  • 実際のルート・エリアは、設定された走行環境条件内で、適切な範囲に設定すること
他にも、ガイドライン本文(リンク)には、対応すべき事項が詳細に記述されています。

私たちのマイクロ・ロボットタクシーは、まさに「限定地域における無人の自動運転移動サービス(レベル4)」であり、このガイドラインが提示されたことによって、PoCの先にある社会実装のイメージを明確にすることができます。PerceptIn Japanは、旅客自動車運送事業者様に、車両と「限定地域における無人の自動運転移動サービス(レベル4)」の仕組みをご提供し、サービスの立ち上げと運用のサポートを行います。

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もちろん、乗り越えなければならない課題は他にも多くあります。

無人の車両の公道での走行は、1949年のジュネーブ条約で禁止されています。ウェイモのロボットタクシーも、実証実験では完全無人であったにも関わらず、フェニックスで始まった商用サービスでは、運転席にセイフティードライバーが座っている理由もこのためだと思われます。しかし、国交省が2020にレベル4を実用化するという目標を掲げたということから、この問題も解決するのではないかと期待しています。

川手恭輔
お問い合わせは、contact に @ と ibornb.red をつけたアドレスまでメールでお寄せください。


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