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「世界はインターネット革命の第三の波に入った。世界のスタートアップコミュニティは、その技術を、それぞれの産業についての専門知識と組み合わせることによって、既存の産業を破壊しようとしている。これは、小規模で未成熟なスタートアップエコシステムがゲームを変えるチャンスであり、そのDNAやレガシーな強みを活かして、グローバルレベルで競争上の優位性を確立することができる」

4月17日にイスタンブールで開催された世界起業家会議(GEC)で、スタートアップゲノムと世界起業家ネットワーク(GEN)による『グローバルスタートアップエコシステムレポート2018』が公開された。冒頭の言葉は、スタートアップゲノムのCEOで共同創業者のJF・ゴーチエが、そのプレスリリースで述べたものだ。

このレポートは、100万社以上の企業と約100の地域のスタートアップエコシステムに関するデータ、そして10000人以上のスタートアップ経営者への調査データに基づいて、次の10の大項目の指標から、世界24カ国の43都市のスタートアップエコシステムを評価し、指標ごとのランク付けを行っている。

パフォーマンス(経済的な成果)、資金調達、マーケットリーチ(自国および海外の市場)、グローバルコネクテッドネス(他のエコシステムとのつながり)、リソースアトラクション(資金や人材を惹きつける魅力)、スタートアップエクスペリエンス(蓄積された価値と多様性)、才能(人材:ソフトウェアエンジニア)、起業家(マインド、DNA、ノウハウ、グロバール展開の意欲と戦略)、ローカルコネクテッドネス(ローカルな関係の強さ、コミュニティの質)、組織(支援環境やプログラムやイベント)

レポートの2017年版では、「情報技術産業が世界経済の2倍の速さで成長し、あらゆる種類の産業を変革している。経済価値の数兆ドルは、情報技術産業によって創出されており、その大半はスタートアップによって推進されている」とも報告している。

言語の問題や現地のパートナーが見つからないなどの理由からか、東京やソウルなどの都市は調査対象になっていないが、スタートアップを生み育てるエコシステムの構築は、日本経済の成長に欠かせないことだ。
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このエコシステムに関係する可能性のある方々に、レポートのご一読を強くお勧めしたい。

以下、レポートのほんの一部を翻訳して紹介する。
未来の起業家革命と技術の新時代

世界的なスタートアップ革命は拡大し続けている。グローバルでのベンチャーキャピタルのスタートアップへの投資は、2017年に、ここ10年で最も多い1400億ドル以上になった。2015年から2017年までのグローバルなスタートアップ経済の価値創出の総額は、2014年から2016年の期間から25.6%増加して2兆3000億ドルに達した。

この継続的な成長の下で、根本的な変化が起こっている。第一世代と第二世代のスタートアップエコシステムから生まれ育った、ソーシャルメディアアプリ、デジタルメディア、その他の純粋なインターネット企業といったタイプの企業は減少している。

これらの企業は、新世代のスタートアップが利用する現在のインフラを構築した。FacebookやGoogleは、グローバルなマーケティングのプラットフォームであり、Wordpressはコンテンツパブリッシングのためのツールだ。しかし、これらのサブセクターのスタートアップの起業は、これまでのようには増加しておらず、場合によっては減少している。

シリコンバレー、ロンドン、ニューヨークのようなトップレベルのスタートアップハブは、引き続きトップレベルの活動を続けており、ほとんどのサブセクターのトップパフォーマーとしての地位を維持している。しかし、フィンテック、サイバーセキュリティ、ブロックチェーンなどの特定のセクターで、強力で有望なエコシステムが出現している。スタートアップのマップの地理的かつ経済的な変化は、世界が「技術の新時代」に向かっていることを示している。

インターネットの第三の波

直近の起業家革命は、ほぼすべてがインターネットの基盤上に構築され、情報通信の技術セクターによってドライブされたものだ。これらの革命によってもたらされる価値は、インターネット自身が頼りどころにしている、シリコンベースのマイクロチップの世界屈指の生産地域であるシリコンバレーによって独占されてきた。

しかし、現在と未来の起業家革命は、情報技術とインターネットにフォーカスしたビジネスだけでなく、多様なビジネスを生む可能性を持っている。1990年代初頭から2000年代にかけて、有名なテクノロジー企業は、インターネット検索、電子メール、ソーシャルメディア、ビデオなどの、ウェブやモバイル上で完結するビジネスを構築してきたが、今後の革新的な技術は「現実世界」を変革するだろう。それらは人々のウェブ上での行動だけでなく、現実世界での行動も変え、輸送、医療、重工業、農業、さらに多くの分野の現実世界の産業が影響を受けることになるだろう。起業家であり投資家でもあるスティーブ・ケースは、これをインターネット革命の第三の波と呼んでいる。この革命の最初の波は、スティーブ・ケースが創業したAOLのような、インターネットの基礎を築くことに貢献した企業によって牽引された。第二の波は、ソーシャルメディア、インターネット検索、電子メールをウェブで構築したグーグルやフェイスブックなどの企業が主導し、スナップチャットのような企業がスマートフォンに特化したアプリをつくった。第三の波は、これらの活動と経験を「現実世界」の特定の垂直産業に持ち込むだろう。

技術の新時代:第三の波とディープテック

技術の新時代には、次の二つのいずれかに取り組むスタートアップが成功するだろう。
  1. 第三の波の特定の垂直サブセクターに取り組む:ウーバーはモビリティ、エアービーアンドビーはホスピタリティー
  2. ディープ・テックに頼る:分散台帳(DLT)、AI、ライフサイエンスなどの革新的な技術によって可能になる事業を起こす
サブセクターの成長データをみれば、第三の波とディープテックの立ち上がりがはっきりとわかる。最も急速に成長しているサブセクターは、すべて第三の波かディープテックの事業領域に該当し、衰退しているサブセクターは主に第一、第二の波のスタートアップの技術に関連するものだ。

増加したサブセクター(5年間のアーリーステージの投資案件の増加)
第1位 先進製造とロボティクス(189%)
第2位 アグテックとニューフード(171%)
第3位 ブロックチェーン(163%)
第4位 AI、ビックデータと分析(77%)

減少したサブセクター(5年間のアーリーステージの投資案件の減少)
第1位 アドテック(35%)
第2位 ゲーム(27%)
第3位 デジタルメディア(27%)

減少したサブセクターは、主にインターネットの第一、第二の波に関連している。まったく同じではないが、2015年から2017年に株式公開したハイテク企業の業績にも同様の傾向が認められる。新しい時代のサブセクターは、アドテックのような成熟したサブセクターよりもIPO後の収益成長率において優れている。アグテックやニューフードは、IPOの数は少なくても、四半期ごとの収益成長率はさらに高くなっている。

卓越したスタートアップハブ

この「技術の新時代」に、小規模なエコシステムが勢力を拡大するための戦略の一つは、既存の強みを持つ垂直産業(第三の波)またはディープテックの特定のサブセクターにフォーカスすることだ。世界のトップパフォーマーになることができるエコシステムはわずかだが、多くの小規模なエコシステムが、特定のサブセクターのトップ集団に入る可能性がある。たとえばドイツのフランクフルトは、技術の新時代に向けて、経済分野での強みをテコにして、その戦略を着々と実行に移している。

フランクフルトは欧州中央銀行の本部を持ち、欧州連合(EU)の金融の中心であり、金融​​サービス機関には7万人以上が雇用されている。さらに、この都市には、金融業界の5つのフォーブス2000企業が存在し、合計で663億ドルの時価総額がある。これらの強みに基づいて、アクセラレータ、企業が関与する取り組み、そしてコワーキングスペースといった、ターゲットを絞ったプログラムを通じて、フィンテックに向いたエコシステムを構築することにフォーカスしている。

私たちが研究した100近くのエコシステム全体の中でも、フランクフルトは、一つのサブセクターのスタートアップに最も集中しているエコシステムの一つだ。2012年から2017年の間に、ローカルのベンチャーキャピタルによる投資の50%以上が、フィンテックのスタートアップに投入された。

この戦略は、ほんの数年で良い結果が出た。ドイツで最大のフィンテックのエグジット(株式公開あるいは他社に高額で買収されるという目標を達成すること)がフランクフルトで行われたのだ。フランクフルト証券取引所を運営するドイツ取引所(Deutsche Borse)が、外国為替取引を行うスタートアップ、360Tを約8億ドルで買収した。

フランクフルトは40番目の規模のエコシステムに過ぎないが、スタートアップあたりのアーリーステージの資金調達の指標では世界で21位、コミュニティのセンス(ローカルコネクテッドネスの指標、起業家と投資家の関係性など)では世界で7位にランクされている。さらに、フランクフルトの起業家は、トップエコシステムと世界的に結びついており、それは、グローバルなマーケットリーチやエコシステムのパフォーマンスと高い相関関係がある指標だ。フランクフルトは、グローバルコネクテッドネスで世界5位にランクインしている。トップパフォーマンスのエコシステムの起業家達は、フランクフルトに来て、そこの起業家達とネットワークを構築している。それは、そこにファイナンスの専門知識とフィンテックのスタートアップが集中していることを反映しているようだ。これらの指標でフランクフルトと同様のパフォーマンスを有する小規模のエコシステムは、他にはヘルシンキとリスボンの二つしかない。それぞれ、スラッシュとウェブサミットという世界的なテックイベントの開催地になっている。

西対東:中国の台頭と米国の支配力の低下

「卓越したスタートアップハブ」の出現という、起業活動のマップの世界的な変化は、アジアにおける活発な動きの増加と米国の優位性の低下を示していると見ることができる。米国とシリコンバレーは、世界のスタートアップエコシステムの中では、依然として最高の価値を創造しているものの、これまでほどには突出していない。

過去6年間、アジア太平洋諸国の資金調達のシェアは増加したが、米国のシェアは減少した。2017年の米国におけるベンチャーキャピタルのスタートアップへの投資は、アジア太平洋地域と同額で、全体の42%を占めた。2016年から2017年で見ると、米国は少しだけ上回っていた。

この変化は、主に中国の成長によるものだ。 2014年には、中国出身のユニコーン(10億ドル以上の企業価値のついたスタートアップ)は13.9%だけだった。2017年と2018年(現時点まで)には、その数は35%に成長したのに対し、米国は61.1%から41.3%に減少した。

ユニコーンのエグジットに関しては、まだ米国が支配的だ。これはユニコーン現象が他国より早く始まったからだ。2016年から2017年にかけての、全世界のユニコーンのエグジットの65%が米国出身になっている。

過去20年間の特許出願で最も成長をした10カ国のうち、8カ国がアジアにある。特許は一つの指標に過ぎないものの、知識生産のこの大幅な増加は、AIとブロックチェーンの二つのサブセクターで特に顕著だ。

ベンチャーキャピタルの投資額で測れば、これらの二つのサブセクターでの米国のスタートアップは活発だが、中国の2017年の特許出願件数は、AI関連特許で米国の4倍、ブロックチェーンおよびCrypto関連特許で米国の3倍となっている。

未来のエコシステムを構築する。「技術の新時代」のエコシステムの構築には、技術全体をみるだけでなく、特定のサブセクターに注意を払い、そこに投資する必要がある。これは、特により小規模なエコシステムに当てはまる。新興のエコシステムが、すべての技術セクターで競争することは不可能だが、小規模なエコシステムが、いくつかのサブセクターの「卓越したスタートアップハブ」になることは非常に現実的だ。

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4/10発売の「ハーバードビジネスレビュー5月号」の「ハブ・エコノミー;少数のデジタル企業が世界を牛耳る時代」という論考は、ネットワークを活用した水平型のハブ構造のビジネスモデルの脅威を解説しています。

「ソフトウェアが世界を呑み込んでいる」と共通する問題意識です。

拙稿では、それに対して、日本メーカーは、自社のハードウェアをソフトウェア(新しいサービス)視点で再定義し、その産業に特化した垂直型ハブ構造のビジネスモデルを構築すべきと主張します。


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家電などの一般消費者向けの製品をつくる日本のメーカーでは、新しいものを生み出すための「アイデア出し」という取り組みが行われているはずだ。不定期に開催されるものであったり、イノベーション創出のための一時的、あるいは定常的な組織が存在したりもする。それらは、かなり以前から、名前や形態や責任者を変えながら、新しい取り組みとして、なんどもメディアに取り上げられてきた。しかし、そこから、一つの事業の柱となるような革新的な製品が生み出されたのを見た記憶がない。

ソニーの創業者の井深大さんの「海外出張に行くときに、飛行機の中で自由に音楽を聞けるもの」というアイデアから、それまでに存在しなかった「外で音楽を聴くためのハードウェア」が発明された。

WALKMANは、それまでになかった携帯音楽プレーヤーを発明し、iPodは、それを再発明した。WALKMANは、外出先で、あるいは歩きながら音楽を聴くという新しい体験を創造し、iPodはその体験を大きく改善した。しかし、最も大きな違いを乱暴に言えば、WALKMANは偶然から生まれ、iPodは意思によって生まれた。

「アイデア出し」の取り組みは無駄ではないだろうし、無意味と言うつもりもない。しかし、一つ大きな疑問がある。

産業革命以降、そして特にデジタル革命以降、多くのハードウェアの発明がなされた。もはや、WALKMANのような「まだ存在しないもの」を発明する余地は残されていないのではないか(但し、ソフトウェアには無限の可能性がある)。そのような状況では、いくら新しいものを生み出すための「アイデア出し」を行っても、バラエティ雑貨店で売られているようなアイデア商品しか思いつくことができない。

メーカーは、WALKMANではなくiPodをつくる取り組みをすべきだ。iPodはそれまで存在しなかったものではなく、WALKMANを置き代えるものだった。

WALKMANによって、携帯音楽プレーヤーという大きな市場が形成されていた。iPodはWALKMANのユーザーが潜在的に抱えている問題を発見し、それを解決するユニークな価値をデザインし、そしてプロダクトマーケットフィットに注力すればよかった。

それに対し、WALKMANをつくろうとすれば、エリック・リースの『リーン・スタートアップ』やスティーブ・ブランクの『アントレプレナーの教科書』でお馴染みの「アイデア(仮説)を検証する」という「顧客発見」のプロセスが必要になる。

例えばリーン・スタートアップは、仮説検証に必要な最小限のプロダクト(MVP)をつくり、それを実際の顧客に使ってもらい、その反応を検証しながら、構築(BUILD) −計測(MEASURE)−学習(LEARN)の学習サイクルを繰り返すことを提唱している。しかし、これは無償で提供することができ、非常に少ない期間とコストで構築が可能なソフトウェア(Webサービス)だからこそのプロセスであり、ハードウエア製品では不可能だ。

そこで、アイデアを視覚化して、クラウドファンディングや社内の人気投票などの手段で、「顧客に問う」ことを代替えしたりしている。しかし、それでは仮説検証にはならない。クラウドファンディングで初期顧客を惹きつけることはできるが、それが、実際に製品化した後で、多くの顧客を獲得することに繋がることはない。

社内での人気投票は、無責任であるだけでなく、どのような基準で投票するのかが曖昧なままではないだろうか。皆が「あったらいい」と思う程度のものであるならば、きっとそれは取るに足らないものだ。

さらに、視覚化されたアイデアは、演出されており、実際に顧客が感じる体験の価値が誇張されている。そのようなもので、「顧客が対価を払った後に感じる価値」を評価することはできない。アイデアの視覚化は、主に、確信犯が投資家や決裁者の興味を惹くためのプレゼンテーションに使われる。

「iPodをつくる」ということは、偶然のアイデアに頼るのではなく、既存事業の製品を置き代えるものをつくるということだ。家電でもカメラでも、そしてすでにスマートフォンのアプリになってしまった携帯音楽プレーヤーでも、その市場に経験と知識がある、自社の製品を置き代えるチャレンジをすれば良い。顧客を発見する必要はない。顧客はそこに居る。

メーカー企業のトップは、「既存事業の製品を置き代える」という強い意志を示すべきだ。それは、現行事業を破壊するかもしれない。その取り組みを、どのように現行事業のオペレーションに組み込むかを考えるのがトップの仕事だ。

シリコンバレーに綺麗なオフィスをつくるのもいい(羨ましい限りだ)が、そんなことでイノベーションが生まれるはずがない。アイデア出しの段階のスタートアップに、そんな恵まれた環境が提供されることはない。何も結果を出していないグループを優遇しても、彼らに今日の飯を食わしている現行事業のメンバーとの軋轢を生むだけで、それはイノベーションの大きな妨げになる。

トニー・ファデルの大量の音楽を入れられるプレーヤーをつくろうという意志と、デジタル時代のプラットフォームを構築しようというスティーブ・ジョブズの意志によってiPodが生まれた。「iPodはプロダクトマーケットフィットに注力すればよかった」と書いたが、それには三年の時間がかかっている。

「意志の上にも三年」というわけだ。

「再発明」のご相談は、contact に @ibornb.red をつけたアドレスまでメールでお寄せください。
川手恭輔(Internet Born & Bred)




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4月17日にイスタンブールで開催された世界起業家会議(GEC)で、スタートアップゲノムと世界起業家ネットワーク(GEN)による『グローバルスタートアップエコシステムレポート2018』が公開された。2018年版のレポートの基調は、「世界はインターネット革命の第三の波の段階に入った」というものだ。
1990年代初頭から2000年代にかけて、有名なテクノロジー企業は、インターネット検索、電子メール、ソーシャルメディア、ビデオなどの、ウェブやモバイル上で完結するビジネスを構築してきたが、今後の革新的な技術は「現実世界」を変革するだろう。それらは人々のウェブ上での行動だけでなく、現実世界での行動も変え、輸送、医療、重工業、農業、さらに多くの分野の現実世界の産業が影響を受けることになるだろう。
アルビン・トフラーは1980年に出版した『The Third Wave』で、農業革命後の第一の波と産業革命後の第二の波に続いて起こる、情報革命という第三の波を予言した。AOLの元CEOで共同創業者のスティーブ・ケースは、同名の著書(日本語版は『サードウェーブ』)のなかで、トフラーの予言どおりに起きている現在の情報革命を、さらに三つの段階(波)に分類している。

人々をインターネットにつなげ、人と人とをつなげるインフラと土台を築いた第一の波を経て、すべての消費者がスマートフォンを持ち、Eコマースやソーシャルネットを利用する現在は第二の波の段階だ。第二の波に乗ったアマゾンやフェイスブックやグーグルは、あらゆる産業を横断的にネットワーク化した、水平型のハブ構造のビジネスモデルで大きく成長した。

Eコマースは、人々の購買行動を大きく変化させ、既存の小売業を破壊し続けている。アマゾンは、メーカーが製造した製品を人々に届ける「小売」というボトルネックをソフトウェア化し、書籍から始めて生鮮食品に至るまで、取り扱う商品を水平展開した(水平型のハブ構造のビジネスモデル)。

すでにインターネット革命の第三の波は始まっている。ウーバーはライドシェアサービスによってタクシー産業を脅かし、エアービーアンドビーは、民泊によって人々の現実社会での行動に変化を与えた。そして、それぞれモビリティ、ホスピタリティという垂直セクターを変革しようとしている。

それは、自動車やホテルといった、人々が実際に利用する最終商品を提供する現実社会の産業に大きな影響を与えることになる。例えば、自動車は購入して所有するものではなく、シェアしたり、必要なときに好きな場所で利用したりできる、新しいモビリティ(移動手段)サービスの一部になっていく。

インターネット革命の第三の波では、あらゆる産業がソフトウェア化し、物理的なビジネスと電子的なビジネスの境界が曖昧になる。すなわち、すべての既存の産業のビジネスモデルが破壊される可能性があると考えなければならない。

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「私は、この先の10年で、より多くの産業がソフトウェアによって破壊されると予想している。多くの場合、その破壊は、最先端の新しいシリコンバレーの企業によるものだろう」

マーク・アンドリーセンが、2011年にウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿したコラム『なぜソフトウェアが世界を呑み込んでいるのか』で予想したとおり、ソフトウェアは、それまで無関係だと思われていた産業や、古いビジネスモデルに基づいた産業を次々と呑み込み、ソフトウェア化の波に乗れない企業を窮地に陥れている。

『ハード起点の絶望的な製品をつくり続ける日本メーカー(過去記事)』が、ソフトウェアに呑み込まれずに生き残り成長する術はあるのか?

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