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2015年08月

フェデラーとナダルに見るイノベーションとそのジレンマ

錦織圭出場のUSオープン もうひとつの楽しみ方(Wedge Infinity)

内容:
 
― ATPツアーの概要
ATPツアーの大会は、獲得できるポイントの大きさによって、グランドスラムから、マスターズ1000、500、250という順に4つに分類されている。
 
― BIG4という壁
2004年から今年のウィンブルドンまでのグランドスラムの48大会で、この4人以外で優勝したのは5人(6大会)のみで、残りの優勝はBIG4によるものだ。
 
― フェデラーは自らを変えた
テニスの変化に対応するために自らを変えようとしているフェデラーの姿勢に感動する。驚いたのは、8月のシンシナティのジョコビッチとの決勝戦だった。
 
― レジェンドの力
レジェンド達は、グランドスラムで優勝し、ナンバーワンの重圧を知り尽くしている。彼らはコーチではあるが、トッププレーヤー達の「最高の理解者」なのだ。
 
― ナダルは復活できるのか?
精神面の不安を克服して、闘争心を呼び戻し、自らを変えようとする気持ちさえあれば復活できるはずだ。それには誰かの助けが必要かもしれない。

人々がインターネットにつながっているスマートフォンなどのデバイスを常に持ち歩いている現代の環境では、日本に興味を持った後の外国人観光客の行動にも積極的に関与することができるようになった。個人手配での旅行を計画することが多い欧米からの外国人観光客に、どのような情報を提供できるかが、欧米からのインバウンドを増やすための重要な鍵となる。

(後編)観光立国戦略の勘違い(Wedge Infinity)
インバウンド・マーケティング ジャパン・ポータルを作れ! 


インバウンドについて調べれば調べるほど、新しいビジネスのシーズの宝庫のように思えてくる。
 

前回、予告編のようなことを書いた記事です。

(前編)観光立国戦略の勘違い(Wedge Infinity)
「おもてなし」はコンテンツではない
 
インバウンドをビジネスとして考えた場合、政府の観光立国戦略では、その商品とマーケティングが非常に曖昧なままになっている。インバウンド消費を獲得するための商品は何か、そのマーケティングはどうすべきか。
 

これまで、いくつかのWebサービスを企画して開発し、それを立ち上げてきた。そして、その経験をもとに「文章を書く」ことを始めた。長い間、「自分で考えたコトを何らかのカタチにする」という作業をしているという広い意味で、自分もクリエイターの端くれだと思っている。

すでにある製品やサービスを利用する人々(や自分)を観察しながら、その潜在的なニーズはなんだろうか、それをインターネットなどの新しいインフラを活用した製品やサービスで満たすことができないだろうかと、あれこれ考えることが自分の仕事のベースになっている。ずっと仕事をしてきた「写真」というドメインに関係することが多いが、音楽やスポーツなどの自分の趣味に関することにも思いをめぐらすことも多い。

身内にもアートだけで飯を食っている(食おうとしている)ものや、服飾のグラフィック・デザインを職業にしているものもいて、「自分で考えたことを何らかのかたちにする」ことについての楽しさと大変さを身近に感じている。最近、その楽しさと大変さについて、あらためて考えるきっかけとなる他人事と自分事があった。

他人事については他人にお任せして、ここではその自分事について。

少し前からインバウンド(外国人観光客)をターゲットにした新しいサービスの検討をしている。

外国人観光客が日本に落とすお金は、インバウンド消費と呼ばれている。財務省が発表する経済収支のなかで、インバウンド消費はサービス収支の旅行に分類される。日本人が海外で落とすお金は輸入(支払)となり、インバウンド消費は輸出(受取)となる。今年上半期の受取額は、前年同期比60%増の1兆4,626億円となり、支払額に大きな変化はなかったので、旅行の収支尻は5,273億円の黒字(昨年は657億円の赤字)に転換した。

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インバウンド消費の半期1兆4,626億円という数字は非常に大きく、政府も2020年に東京で開催されるオリンピック・パラリンピックに向けてインバウンドを拡大し、「力強い日本経済を立て直すための成長戦略の柱として、世界に誇る魅力あふれる観光立国の実現に向けて強力に施策を推進する」という方針を打ち出している。その、政府の「観光立国戦略」がどのようなものかを調べる過程で、いくつかの気になった点があった。

インバウンドをビジネスとして考えた場合、観光立国戦略では、その商品とマーケティングが非常に曖昧なままになっているということについて、そしてインバウンド消費を獲得するための商品は何か、そのマーケティングはどうすべきかについて先月末から書き始めた。

問題点の指摘やその解決のアイデアを書きながら、その考え方の裏づけや、確認をしていく作業は欠かすことができない。指摘した問題が的外れであったり、すでに多くの議論がなされていたり、その問題を解決するサービスが存在していたりするかもしれない。

ブログに書くだけであれば恥をかくだけだが、原稿料を頂く記事の場合は掲載メディアに迷惑をかけてしまう。さらにそのアイデアを実際のサービスとして立ち上げようという場合、そのサービスの開発が始まった後でそのような問題が発覚したら致命的だ。


 
記事を書く途中でこの本に遭遇し、読んだ後で、著者のデービッド・アトキンソン氏が、5月に見たテレビ東京のカンブリア宮殿にでていた人だったことを知った。放送のタイトルは「日本の国宝を守れ!文化財修復会社トップは英国人アナリスト」というもので、アトキンソン氏は番組ホームページで次のように紹介されている。
元ゴールドマン・サックス証券アナリスト。裏千家茶名「宗真」。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学で日本学専攻。2007年に退社した後は、趣味の茶道に没頭する隠遁生活を送っていたが、請われて小西美術工藝社の社長に就任。
本を読んでいるときに、「おもてなし」という言葉について、自分が記事に書いていることと同様のこと(違和感)が書かれていると感じていたが、どうやら番組でアトキンソン氏が話したことにこちらが大きな影響を受けていたようだ。さらに、番組中でアトキンソン氏は、日本が観光立国を目指す切り札である文化財の修復に国がもっと力をいれるべきだと主張していたとされていた。書きかけの記事の次の記述も、もしかすると番組での氏の発言からの発想だったのかもしれない。
観光立国の実現を力強い日本経済を立て直すための成長戦略の柱とするのであるならば、重要な観光資源である文化財の補修と整備に積極的に投資すべきだ。姫路城や金沢城などの文化財に限らず、テーマパークやショッピングモールそしてホテルなどの成功例を見ても、積極的な投資が人を呼び込むために非常に効果的かつ必須であることは明白だ。
この記事に限らず、これまでに立ち上げてきたWebサービスや、そのアイデアの元となった考え方も、自分が0から発想したものではない。先達の製品やサービスや、著書から学び、それらを応用したり組み合わせたり、新しい技術やインフラで再定義することによって、自分なりの独自性を付加することが、「自分で考えたことを何らかのかたちにする」クリエイターの仕事だと思う。

だからクリエイターは、自分のアウトプットの数倍、数十倍のインプットが必要だ。アートの世界における非常に限られた数の天才だけがそれを必要としない。アートにおいても、多くの場合は、学び模倣することから始まる。そして、そこから自分の表現の独自性を生み出していく。独自性がクリエイターの価値だが、模倣と独自性の境界は曖昧だ。

そんなことを考えながら書き終えた記事「観光立国戦略の勘違い」(現時点では未公開)に、果たして独自性はあるだろうか。自分の勘違いでなければいいのだが。

記事の更新はTwitter (@kyosukek)でお知らせします。
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