デザイン思考で行こう!

Life will find a way, we'll find a way Technology lives.

2015年10月

10月23日に帝国ホテルで開催された「IoT推進コンソーシアム設立総会」を覗いてみた。

このコンソーシアムは、「IoT・ビッグデータ・人工知能の発展によって、産業・社会構造が大きく変革し、データを活用した新たなサービスが生まれ、既存のビジネスが陳腐化するという時代に対応するために、企業・業種の枠を超えて、それらを利活用する」という趣旨で設立された。

設立趣意書には「企業・業種の枠を超えて」とあるが、総務省と経済産業省も省庁の枠を超えて協力するようで、総会は高市早苗総務大臣と林幹雄経済産業大臣のスピーチから始まった。早朝8時から、事前に登録した750社800名以上の会員が集まり、富士の間に立ち見が出るほどの盛況で、企業のIoTに関する関心の高さが伺えた。

呼びかけ人の一人である慶応義塾大学の村井純環境情報学部長・教授が会長として、「デジタルデータの共有基盤が整い、あらゆるものがデータを生み出すようになった。そこから生まれる知見を利用することが新しい人類の力となる。」と話した。
 
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モノのインターネットは、M2Mと呼ばれる分野が先行している。M2Mとは「Machine to Machine」の略で、モノとモノがネットワークに繋がり、人を介さずに情報交換を行い、自動的に制御を行う仕組みを指している。これはテレメタリング(このネットワークはインターネットに限定されない)と呼ばれ、物流やエネルギー、リモート監視・計測などの産業分野ですでに実用化されている概念と同じだが、特に無線通信やクラウドなどのインフラの発達によって、そのユースケースが拡大し、IoT/M2Mなどと表現されるようになった。
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IoT/M2Mのモデル

モノのインターネット "Internet of Things" という概念自体はRFIDの標準化を推進したケビン・アシュトンが 1999年に提唱した。常時オンのRFID(無線自動識別)チップを埋め込むことで、すべてのもがインターネットにつながり遠隔操作やデータ共有が可能になるというものだ。さまざまなセンサーとそれを応用する技術が開発され、データを生み出すデバイスはRFIDだけではなくなったが、IoT/M2Mはケビン・アシュトンの唱えたモノのインターネットの枠を超えていない。

そのあとでスマホエコノミーが生まれた。人々は、常にインターネットにつながったハンドヘルドのコンピュータを携帯し、ニュースや音楽や動画やゲームなどのコンテンツを消費するようになった。そしてソーシャルネットを利用して、友人や家族や見知らぬ人と頻繁にコミュニケーションを行っている。
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スマホエコノミーのモデル

IoT/M2Mが想定していなかったスマホエコノミーでは、モノがインターネットにつながるということが、まったく別の価値を生む。
2006年にナイキ(とアップル)が「Nike+iPod」を発売した。靴底にセンサーが仕込まれた、ゴムと布などで作られたランニングシューズが、iPodとパソコンのiTunesを介して間接的にではあるが、インターネットにつながったのだ。それは、モノのインターネットがモノに新しい価値を与え、人々に新しい体験を提供する可能性を示していた。

2001年のマックワールドエキスポでアップルがiTunesを発表したとき、スティーブ・ジョブズはデジタルハブという構想を紹介した。パソコン(Mac)が、さまざまなデジタル機器を相互連携させるためのハブとしての役割を担うことによって、デジタル機器が人々のライフスタイルをもっと楽しく便利にするものになるというものだ。スマホエコノミーの時代になり、デジタルハブの役割はパソコンからスマートフォンに移った。そして、モノのインターネットの時代が来るのであれば、その役割を担うのはクラウドになる。靴底のセンサーは、直接クラウドにつながる必要がある。

スマホエコノミーにおいては、高い技術力を持った日本の製造業が、一般消費者向けの最終製品ではなく、その部品を供給するという立場に甘んじている。スマホエコノミーでモノとヒトがつながることによって、人々にどんな新しい価値を提供することができるか。(高い技術力を持った日本の)ソニーやパナソニックは、それを考えているだろうか。
M2H
モノとヒトがつながる

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日本は依然としてモバイル・ガラパゴスだった。

2001年のマックワールドエキスポでアップルがiTunesを発表したとき、スティーブ・ジョブズはデジタルハブという構想を紹介した。パソコン(Mac)が、さまざまなデジタル機器を相互連携させるためのハブとしての役割を担うことによって、デジタル機器が人々のライフスタイルをもっと楽しく便利にするものになるというものだ。スマホエコノミーの時代になり、デジタルハブの役割はパソコンからスマートフォンに移った。そして、モノのインターネットの時代が来るのであれば、その役割を担うのはクラウドになる。

Wedgeの前回の記事(スマホエコノミーを読み解く)が公開された9月30日に、「MVNOとして、モバイルデータ通信とクラウドを一体化したIoTプラットフォーム SORACOM」というサービスが開始された。記事は「スマホでないものをクラウドにつなげて、関連する情報やコンテンツをクラウドと交換する。そして人々が常に携帯しているスクリーンを備えたスマートフォンで、そのハードウェアや情報をコントロールすることができるようになる。スマホエコノミーの顧客に、これまでになかった新しい体験を提供できる環境が整ってきたのではないだろうか。」と結んだ。

「スマホでないものをクラウドにつなげる」とは、まさにモノのインターネットを指しているが、これまで何が問題だったのか、そして、それはソラコムで解決できるのだろうか。それを考えていくと、日本の携帯キャリアが、依然としてガラパゴス状態にあることが見えてくる。

自転車の存在価値を変えるコネクテッド・ペダル
クラウドMVNOのソラコムはIoTを可能にするか?(Wedge Infinity)

さらに調べていくと、大きな可能性と解決すべき問題が見えてきた。
もう少し、このテーマについて掘り下げてみようと思う。

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