デザイン思考で行こう!

Life will find a way, we'll find a way Technology lives.

2016年09月

1995年に、その前年からWebディレクトリーサービスを始めていたYahoo!が創業した。

そのころ大手製造業の中で、ファームウェアではないソフトウェア、アプリケーションソフトウェアの企画・開発部門を立ち上げていた私は、 少し前からNIFTY-Serveのローミングサービスを利用してCompServeのポータルにダイアルアップ接続して、望遠鏡でインターネットを覗いていた。

様々なデータがデジタル化されることによる変化が起こり始めていた。しかし、その先にもっと大きなことが待ち構えている気がして、居ても立ってもいられなかったことを覚えている。システム寄りの同僚と、サンタクルーズからサンフランシスコまでの新興企業のサーバー関連技術やデータセンターの動きなどを見て聞いてまわった。そして"Everything over IP"をスローガンに自分の部門のミッションをシフトし、1997年に一般消費者向けのインターネット(アプリケーション)サービスを始めた。

水道や電気のように、インターネットはすでに人々の生活に欠かすことができない社会インフラとなった。そして、すべてのコトが情報化されてクラウド化されつつある。今、次の大きな変化のとば口に立っているような気がする。ここまでは、インターネットによって変化したパラダイムでの価値創造をシリコンバレーに独占されてきた20年だった。

Wedge Infinity連載コラム(AIはシンギュラリティの夢を見るか?)

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採用の面接で僕はいつも次の質問をする「ほとんどの人が認めないけれど、あなたが重要な真実だと考えていることはありますか?」
 
ペイパル・マフィアと呼ばれる何人もの起業家を輩出したペイパルやパランティアの共同創業者で、その後フェイスブックやスペースXなど数百社のスタートアップに投資した投資家としても知られるピーター・ティールの"ZERO to ONE"は、このような書き出しで始まる。ティールは、偉大な企業は目の前にあるのに誰も気づかない重要な真実の上に築かれると言う。

シリコンバレーのベンチャーキャピタル、Yコンビネータの共同創業者のポール・グラハムも、良いアイデアは最初バカげたものに見えると言っている。新しいプロダクトを生み出した人は、他の人が気づいていない問題に気づき、自分がほんとうに欲しいと思うものを自分でつくった。ほとんどの人がそれが価値があると認識していないアイデアこそが最高だと。
 
多くのイノベーターが同じようなことを言っている。ここでも「まだ誰も気づいていない潜在ニーズ」という言葉を使い、それをどう見つけるかを考えてきた。

ティールは、誰もが信じている嘘を特定することができれば、その後ろに隠れているもの、すなわち「逆張りの真実」を発見できると言う。逆張り(
contrarian)とは株式投資の用語で、株価が急落したときに買うなど、株価の動きと逆の方向で売買することを意味する。それを行うには知見や洞察力だけでなく、強い信念と勇気が必要だろう。ティールは、逆張りを躊躇させる4つの気持ちを挙げている。
  • 期待されていることだけを他よりも少しだけうまくやれば評価される
  • ほかの誰もが認めていないことに人生を捧げるのはつらい
  • いまの出世コースを外れたくない
  • どうせひとりの力では何もできない
逆張りをするためには、これらの気持ちを克服しなければならない。それは起業する人だけでなく、大企業の中でイノベーションを起こそうとする人にも求められることだ。
それができる人はめったにいないが、4つのうちのいくつかの気持ちを初めから持たない人もいるだろう。そんな人は、2番目などは楽しみだと感じているかもしれない。4つとも思い当たる人は逆張りは考えないほうがいい。みんながみんな、イノベーションにチャレンジする必要はない。そんなことをしたら企業はすぐにつぶれてしまう。

逆張りの真実を見つけるには逆張りの視座が必要だ。いつも視座を未来に置いて、みんなが信じていることを観る。みんなが見ていない場所を見る。ほとんどの人は教えられた範囲でものごとを考えている。技術の進歩が、困難と思われていたことを可能(容易)にして、昨日までの真実を嘘にする。新しい真実が密かに生まれて、発見されるのを待っている。技術の発明者である必要はないが、技術を深く理解している必要がある。冒頭のティールの質問は、逆張りの視座を持っている人材を見つけるための質問だ。

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Wedge Infinityに寄稿しました

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