4月17日にイスタンブールで開催された世界起業家会議(GEC)で、スタートアップゲノムと世界起業家ネットワーク(GEN)による『グローバルスタートアップエコシステムレポート2018』が公開された。2018年版のレポートの基調は、「世界はインターネット革命の第三の波の段階に入った」というものだ。
1990年代初頭から2000年代にかけて、有名なテクノロジー企業は、インターネット検索、電子メール、ソーシャルメディア、ビデオなどの、ウェブやモバイル上で完結するビジネスを構築してきたが、今後の革新的な技術は「現実世界」を変革するだろう。それらは人々のウェブ上での行動だけでなく、現実世界での行動も変え、輸送、医療、重工業、農業、さらに多くの分野の現実世界の産業が影響を受けることになるだろう。
アルビン・トフラーは1980年に出版した『The Third Wave』で、農業革命後の第一の波と産業革命後の第二の波に続いて起こる、情報革命という第三の波を予言した。AOLの元CEOで共同創業者のスティーブ・ケースは、同名の著書(日本語版は『サードウェーブ』)のなかで、トフラーの予言どおりに起きている現在の情報革命を、さらに三つの段階(波)に分類している。

人々をインターネットにつなげ、人と人とをつなげるインフラと土台を築いた第一の波を経て、すべての消費者がスマートフォンを持ち、Eコマースやソーシャルネットを利用する現在は第二の波の段階だ。第二の波に乗ったアマゾンやフェイスブックやグーグルは、あらゆる産業を横断的にネットワーク化した、水平型のハブ構造のビジネスモデルで大きく成長した。

Eコマースは、人々の購買行動を大きく変化させ、既存の小売業を破壊し続けている。アマゾンは、メーカーが製造した製品を人々に届ける「小売」というボトルネックをソフトウェア化し、書籍から始めて生鮮食品に至るまで、取り扱う商品を水平展開した(水平型のハブ構造のビジネスモデル)。

すでにインターネット革命の第三の波は始まっている。ウーバーはライドシェアサービスによってタクシー産業を脅かし、エアービーアンドビーは、民泊によって人々の現実社会での行動に変化を与えた。そして、それぞれモビリティ、ホスピタリティという垂直セクターを変革しようとしている。

それは、自動車やホテルといった、人々が実際に利用する最終商品を提供する現実社会の産業に大きな影響を与えることになる。例えば、自動車は購入して所有するものではなく、シェアしたり、必要なときに好きな場所で利用したりできる、新しいモビリティ(移動手段)サービスの一部になっていく。

インターネット革命の第三の波では、あらゆる産業がソフトウェア化し、物理的なビジネスと電子的なビジネスの境界が曖昧になる。すなわち、すべての既存の産業のビジネスモデルが破壊される可能性があると考えなければならない。

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