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カテゴリ: Wedge Infinity イノベーションの風を読む

リーマンショックという誰も予測できなかった衝撃によって、世界的な景気の低迷や円高などが引き起こされ、グローバルな競争力を失ったパソコンやテレビ事業などの業績悪化によって経営不振に陥ったパナソニックとソニーとシャープの家電三社は、事業の売却や撤退、そして大規模な人員削減などのリストラを繰り返した結果、ようやく回復の兆しが見え始めた。

「毋なる自然は“安全”なだけじゃない。破壊や置き換え、選択や改造を積極的に繰り返す。ランダムな事象に関していえば、『頑強』なだけでは足りない。長い目でみれば、ほんのちょっとでも脆弱なものはすべて、容赦ない時の洗礼を受けて、壊される」

ナシーム・ニコラス・タレブは、最新の著書『反脆弱性―不確実な世界を生き延びる唯一の考え方』のなかで、「完璧な頑強さなどありえないことを考えると、ランダムな事象、予測不能な衝撃、ストレス、変動性を敵に回すのではなく、味方につけ、自己再生しつづける仕組みが必要なのだ」と説き、それを反脆さ(はんもろさ)と呼んだ。タレブの2007年の著書『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』は、サブプライムローンの破綻がきっかけで起きたリーマンショックのあと、全米で150万部の大ヒットを記録した。

三社に共通する4Kテレビの販売が上向いたこと、ソニーは画像センサー、パナソニックは車載機器などBtoBにシフトしたことが回復を牽引したとされているが、会社が大きく変容しただけでなく、徹底した合理化によって経営陣や従業員の意識も大きく変わっただろう。しかし、次のブラック・スワン(予測不能な衝撃)に備えて、反脆さを身につけることはできたのだろうか。あるいは再び「想定外だった」と、業績悪化とリストラを繰り返すことになるのだろうか。

R&Dを即効性のあるテーマに集中させ、 サプライチェーンを最適化するなど、頑強さを求めて無駄をギリギリまで排除した事業は脆い。タレブは、反脆さとはオプションを持つことだという。「オプションとは私たちを反脆くしてくれるものだ。オプションがあれば、不確実性の負の側面から深刻な害をこうむることなく、不確実性の正の側面から利益を得ることができるのだ」。では、三社が代表する一般消費者向け(BtoC)の製品をつくる製造業にとってのオプションとは何だろうか。

2/14 更新
月刊ウェッジの1月号と2月号で投げかけた問題に対する私なりの考えを、タレブの言葉を借りながら書きました。

ソニー復活へのキーワードは「反脆さ」(Wedge Infinityへ)

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経済産業省が推進するスマートホームでは、「ユーザーはスマートスピーカーなどを使って、音声でクラウド上の音声アシスタントに家電の操作を指示し」「音声アシスタントは、それを家電メーカーのサービスクラウドに伝え」「サービスクラウドが家庭内の機器を操作する」という流れになっています。それを図にすると、家電メーカーにとって残念な三つのことが見えてきます。
  1. 残念ながら他社との差別化はできない
  2. 残念ながら重要なデータは蓄積できない
  3. 残念ながらプラットフォームは押さえられない
しかし
  • アシスタントには限界がある
  • だから家電がユーザーと会話すれは良い
という提案です。

家電を賢くするには? → Wedge Infinity

本年の更新はこれまでになります。

発売中の月刊Wedge 1月号の特集「ものづくりの未来」では「日本の製造業に欠けていた新しい価値の創造」を担当しました。次号では、深セン取材を元に続編を書く予定です。

では、みなさま、良いお年を
川手恭輔


あなたが最寄駅に到着したことをGPSで検知して自宅のエアコンや照明をオンにしたり、外出を検知すると家電の電源をオフにしたりする……家電メーカーや、最近では携帯キャリアまでが、スマートホームという構想や、それに基づいた製品やサービスを発表しています。しかし、あなたは、こんなことが本当に必要だと思いますか。

3月に経済産業省が、『スマートホームにおける現状と将来像の実現に向けた検討の方向性について』という資料を公開しました。生活者にとって、スマートホームというものは、どのような価値があるのでしょうか。資料を読み解いてみました。

内容
  • スマートホームとは何か?
  • 家電メーカーが取り組むべきこと
スマートホームは"スマート"じゃない → Wedge Infinity

次回は「家電をスマートにするには?」ということを考えてみる予定です

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BLOGOSでたくさんのアクセスをいただいた『ハード起点の絶望的な製品をつくり続ける日本メーカー』と、Wdege Infinityに寄稿した『日本メーカーに出して欲しかったカメラ』『中国を見よ!AIスピーカーをやっている場合ではない理由』で提起した問題について解説をしました。

父の不在が絶望的な製品を生む → Wedge Infinity


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多くのハードウェア製品を発表した10月4日のイベント「Made by Google」では、「ハードウェアを徹底的に見直す」という表現が何度か使われました。アップルが好んで使う「再発明する(reinvent)」という言葉に対して、グーグルは「見直す(reimagine)」、AIファーストで、ソフトウェア起点でハードウェアを見直す。これは、ぜひ日本のメーカーも取り組んで欲しいことです。

前回の『ハード起点の絶望的な製品をつくり続ける日本メーカー』の続編として、

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音声アシスタントというプラットホームには、会話というユーザーインタフェースならではの体験を提供する、そして収益性をも兼ね備えた、まったく新しいアプリが生まれる可能性があるように思います。そして、Google Assistantには、それを予感させる二つの興味深い特徴があります。

Google Homeがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ! →  Wedge Infinityへ 

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『新しいiPhoneはなぜ画期的か』で紹介したフィル・シラーの「ポケットに入る電話で、ニューラルエンジンがビルトインされたA11 Bionicが顔認証をしているんだ」という言葉を解説します。

・次はAIが動くスマートフォンの戦い
・カメラメーカーが注目すべきこと 

解説:新しいiPhoneはなぜ画期的か→ Wedge Infinityへ 

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ソニーとパナソニックが相次いでスマートスピーカーを発表しました。日本に導入される前に、スマートスピーカーは乱立状態になってしまっていますが、それは日本を代表するメーカーが手がけるべき製品とは思えません。その3つの理由は中国にあります。
  1. すぐにシャオミゼーションの餌食になる
  2. コピーキャットがイノベーターに変身する
  3. 「もの造り」もコモディティ化する
しかし、「もの創り」へのAIの応用は、日本のメーカーに残されたチャンスです。スマートスピーカーなどをつくっている場合ではありません。

中国を見よ!AIスピーカーをやっている場合ではない理由 → Wedge Infinityへ

今年に入ってから「ソニーの復活」が盛んに報じられるようになり、最近では株価も堅調に推移しています。平井社長は5月の経営方針説明会で、現行の中期(3年)経営計画に掲げた営業利益で5000億円以上という数値目標を、その最終年度となる今年度に達成できる見込みだと説明しました。

営業利益5000億円は20年ぶりの利益水準で、5年が経過した平井体制のソニーグループにとっての悲願ですが、果たして、その目標を達成できるでしょうか。そして、それはソニーの復活を意味するのでしょうか。

米国のスタートアップが発表したArsenalという、一眼レフのアクセサリシューに取り付ける小さなデバイスに搭載されたAIは、カメラのライブビューの画像を解析し、プロのカメラマンが撮影した数千の解析済みの写真の中から、もっとも似ている30の写真を選びます。似ていると判断する基準は、AIが学習によって見出したものです。そして、30の写真のExifの情報からカメラの推奨の設定を導きます。

ArsenalのAIは、お勧めの設定を提案するに止まっていますが、より積極的にAIを活用して、一眼レフカメラを再発明することも可能なはずです。

AIがカメラの再発明を可能にする(Wedge Infinity)
arsenal40
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